巻き爪の手術について~痛み・再発・費用・保険~
足の爪が内側に巻いてしまう巻き爪は、軽いうちは痛みもさほどなく、あまり気にせず日常生活が送れます。
しかし、ひどくなると痛みが強くなり、靴を履くときにぶつけた際や、圧がかかるたびに鈍痛を感じて歩くのが億劫になる人もいるといいます。
日常生活にも影響がでてきた場合は、手術を検討するケースもあります。
そこで今回は、巻き爪の手術の痛みや術後の再発について、また、保険の適用の有無や手術費用について解説していきます。
巻き爪の治療方法もさまざま
巻き爪の治療方法は1つだけではなく、症状によってさまざまな方法がとられます。
初期であれば、弾性のある絆創膏を使ったテーピング法などでも痛みは緩和しますが、これは対処法にすぎません。
しっかりと治療したい場合は、巻き爪矯正を行うことが多いようです。
矯正治療もさまざまな方法がありますが、ワイヤーを爪の両端に引っ掛けて爪の丸みを矯正するVHO式などがよく行われているようです。
このワイヤーを使った巻き爪矯正は、爪の周辺に炎症がないことが前提の治療法です。
炎症が起こり、痛みが強くなっている場合は、この方法は行えません。
症状が悪化しているときは、手術になることもあります。
巻き爪が重症化すると手術になることも
巻き爪が重症化して痛みが強い場合は、手術をすすめられることが多いようです。
たかが巻き爪と放っておいてしまうと、爪に刺激された皮膚が炎症を起こしてしまい、歩けないほどの痛みが生じてしまうケースも。
丸まった爪の端が皮膚に食い込み、炎症を起こしてしまう「陥入爪」になると、化膿したり肉芽ができたりします。
肉芽の盛り上がりが靴に当たるので、歩くことにも苦痛を感じるようになります。このように日常生活にも支障をきたすようになった場合は、外科的手術を検討します。
また、保存療法やワイヤーによる矯正で改善できない場合も、手術になることが多いようです。
巻き爪の手術について
巻き爪の手術にはどのような方法があるのでしょうか?
爪の食い込みによって肉芽ができ、強い痛みを伴っている場合は、以下のような手術方法が用いられるようです。
陥入爪根治手術
炎症を起こした陥入爪に対して行う外科的な手術です。
局所麻酔をした上で、爪を爪母から部分的に切除し、切除した部分の横にある皮膚を爪の下に縫合して爪の幅を狭くする手法です。
爪の根っこの部分から切ってしまうので、切った部分の爪は生えてこなくなり、爪の食い込みによる痛みもなくなります。
しかし、切りすぎると爪本来の役目が果たせなくなり、残しすぎるとまた巻き爪になる可能性もあるため、切除範囲の判断が難しいといわれています。
経験豊富な医師にお願いするのが良いでしょう。
フェノール法
フェノール法も陥入爪に対して行う手術方法です。
皮膚に食い込んでいる爪を切除し、フェノールという薬品で爪の根本部分を処理することで、爪が生えてこなくなります。
縫合しないため出血も少なく、手術をしたその日から入浴することも可能です。しかし、症状によっては縫合することもあるようです。
巻き爪手術は保険適用される?
巻き爪の手術には保険が適用されるのか、気になるところですよね。
巻き爪手術は保険が適用されるため、保険診療で受けられます。
3割負担の場合の自己負担費用は、5,000円から9,000円くらいが相場のようです。
外科的な陥入爪根治手術もフェノール法も保険診療で受けられますので、費用は比較的安く済みます。
巻き爪手術は痛みがある?
巻き爪手術には痛みを伴うのでしょうか?
局部麻酔の注射を打つときは痛いですが、手術中は痛みを感じません。
しかし、麻酔が切れたときには痛みが出ます。
手術の当日や翌日は痛みを感じる方が多いものの、それほど長引く痛みではありません。
手術をしたことで爪の食い込みや炎症による痛みがなくなるので、術後の一時的な痛みが消えた後は、楽になったと感じる方が多いようです。
巻き爪手術をしても再発することはある?
巻き爪手術をしたとしても、後に再発することもあるのでしょうか?
手術を行っても、残っている爪がまた巻き爪になってしまう可能性はあります。
根本的な原因が改善されないままの場合は、再発してしまうこともあるのです。
再発を避けるためには、つま先が圧迫されるような靴を履いたり、足の指に負担をかける靴を履いたりすることはやめておいた方が良いですね。
まとめ
巻き爪が重症化してしまうと保存療法では対処できなくなり、手術になることもあります。
患部に炎症が起こり陥入爪になっている場合は、矯正治療も行えないため、手術になるケースが少なくありません。
巻き爪の手術は局所麻酔で行うので、手術自体の痛みはほとんどなく、麻酔が切れたあとの痛みが翌日くらいまで続く程度です。
手術は保険適用で受けられるので、費用も比較的少なくて済みます。しかし、いくら巻き爪手術を行ったとしても、再発することもあるので注意が必要です。
巻き爪の手術は治療の最終手段。できれば手術になる前に対処するようにしましょう。