陥入爪の肉芽にクエン酸を?別の症状の危険性も?
痛みを伴うトラブルは、だれでも早く治したいと思うもの。
とはいえ、陥入爪や肉芽など足の指や爪のこととなると、ついつい自分で何とかしようと思ってしまいがち。
インターネットで検索し、民間療法を探したり、試してみたりする方もいるのではないでしょうか?
しかし、ネットの情報を鵜呑みにしてしまうと、症状の悪化や別の症状が出るといった危険性もあるので注意が必要です。
そこで今回は、「陥入爪の肉芽にはクエン酸を塗るといい」といわれる民間療法について解説します。
陥入爪とは?
陥入爪(かんにゅうそう)とは、側爪郭(そくそうかく)と呼ばれる爪の両脇の皮膚に爪が入り込んでしまい、炎症を起こしている状態。
化膿したり、痛みを伴ったりすることもあるので放置は禁物です。
巻き爪になると爪が皮膚に食い込んでしまい、その刺激で皮膚が炎症を起こし陥入爪になることも。外傷などが原因で陥入爪になることもあるようです。
肉芽とは
肉芽(にくげ)は肉芽腫(にくげしゅ)ともいいますが、炎症がひどくなった部分の皮膚が赤く盛り上がっている状態を指します。
体が傷を治そうと細胞に働きかけることで、肉芽が作られると考えられています。
傷口に細菌が入ると腫れたり化膿したりしますが、肉芽ができている部分に細菌が入ると、周辺の皮膚がさらに炎症を起こし、歩けないほどの激痛を伴うケースもあるようです。
肉芽にクエン酸は民間療法
「肉芽にはクエン酸を塗るといい」という民間療法があるようですが、ご存じでしょうか?
「病院に行きたくない」「できれば自分で治したい」という方は多いですよね。
インターネットでセルフケア方法を探した経験はありませんか?
しかし、「肉芽にクエン酸を塗る」という民間療法には要注意!
実際に試してみた方のブログを読むと、治るどころか痛みはさらに悪化し、最終的には歩けないほどの状態になったと書かれています。
インターネット上にはさまざまな情報が公開されています。
正しい情報もあれば、間違っている情報もあります。
自分に合う方法もあれば、合わない方法もあるものです。
全ての情報を鵜呑みにしないように注意しましょう。
炎症を起こした陥入爪にはクエン酸は刺激が強すぎる
そもそも、炎症を起こしている陥入爪にクエン酸を塗るなど、刺激が強すぎます。
クエン酸は柑橘類などに含まれている成分。
食品などにも添加物として入れることもあることから、使い方を間違えなければ安全性は高い成分です。
しかし、「クエン酸で掃除をすると汚れがよく落ちる」という話を聞いたことはありませんか?酸性であるクエン酸は、アルカリ性の汚れを落とすのに最適。
電気ポットの洗浄に使用したり、お風呂の水垢やトイレの尿石の汚れ落としなどにも使ったりしますよね。
しかし、汚れを落とす力が強いということは、当然ですが肌への刺激も強いということ。
掃除にも使うクエン酸を皮膚に塗るなんて、ましてや炎症を起こしている陥入爪に塗るなど、どう考えても刺激が強すぎるといえるでしょう。
化学物質で火傷をする可能性がある
化学物質で火傷をする可能性もあるので、使用する際は注意が必要です。
クエン酸などの酸を使って古い角質を取り除こうとするフットケア商品も売られています。
このような角質ケア商品を使用したところ、皮膚がただれたり、歩けないほどの痛みが生じたりしてしまうケースもあるといいます。
消費生活センターなどにも、使用後の皮膚トラブルを訴える声が寄せられているようなのです。これは、いわゆる化学やけど。
化学物質によって、皮膚が火傷のような炎症を起こしてしまったと考えられます。
皮膚の状態は一人一人違うだけでなく、その時の皮膚の状態によっても刺激を受けたときのダメージは異なります。
いくら皮膚が丈夫な方であっても、傷や炎症があるときは使用しないのが鉄則ですね。
そもそもクエン酸療法は日数がかかる
クエン酸療法を行ったとしても、改善までには日数がかかります。そもそもクエン酸療法とは、肉芽を酸で焼いてしまおうという民間療法です。
黒くなり、かさぶたができ、はがれたら治るというもの。
しかし、炎症が起きている陥入爪や肉芽にクエン酸を塗るということは、傷口にレモンを塗るようなもの。
実際に試してみた方も、激痛に耐えながら何日もクエン酸を塗っていたといいます。
「肉芽にクエン酸を塗るといい」という方法は、おすすめできる民間療法とはいえません。
専門家や病院の指導のもと効率よくケアを行おう
専門家や病院での指導を受けながら陥入爪や肉芽のケアを行った方が、よほど効率的です。
クエン酸を使用する民間療法は、刺激が強い上、化学物質による火傷をする可能性がある方法です。
症状が悪化したり、別の症状が起きたりしたのでは、何のために痛い思いをしたのかわかりませんよね。
陥入爪や肉芽ができてしまったときは、ネットの情報を鵜呑みにせず、早めに専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
爪が食い込むことで炎症が起こる陥入爪は、肉芽ができて痛むこともあります。
「陥入爪の肉芽にはクエン酸を塗るといい」という民間療法があるようですが、そもそも炎症を起こしているところに酸を塗るということ自体、刺激が強すぎて危険です。
そのうえ、化学火傷を起こす危険や症状の悪化を招くことも多い方法なので、やめておきましょう。
時間をかけて民間療法を試すよりも、専門家に相談した方が効率的に症状の改善が期待できます。症状が悪化する前に、早めに専門家に相談するようにしましょう。