進行するにつれて爪が皮膚に食い込み、痛みに悩まされる「巻き爪」。
変形や痛みがひどくなると歩くのもつらくなるので、そうならないように早めに対処することが大切です。
巻き爪を治療する方法のひとつに「ワイヤー矯正」があります。
ワイヤー矯正とは、細いワイヤーを爪に装着して、巻き爪を矯正する方法です。
「ワイヤー矯正って痛くないの?」
「どうやってワイヤーを装着するの?」
ここでは、このような疑問にお答えしながら、巻き爪のワイヤー矯正の種類や特徴について詳しく解説いたします。
巻き爪矯正とは?
足の悩みのトップにあがる「巻き爪」とは、爪の端の部分が内側に巻き込んで変形する病気です。
巻き爪が進行すると皮膚を巻き込んだり、皮膚に食い込んだりするため、炎症を起こして痛みを生じます。
さらに悪化すると、食い込んだ部分が膿んだり、肉芽腫ができたりすることも…。
巻き爪の進行を防ぐには、なるべく早めに「巻き爪矯正」を行うことが大切です。
巻き爪矯正とは、爪の変形をワイヤーなどによって矯正すること。
巻き爪矯正を行うと、巻いている爪が徐々に平らに戻り、痛みが軽減します。
巻き爪・陥入爪の原因について
巻き爪には、「弯曲爪」と「陥入爪」という2つのタイプがあります。
弯曲爪は、爪の端が内側へと巻く巻き爪で、陥入爪は、爪の端が皮膚に食い込むタイプの巻き爪です。
巻き爪を引き起こす原因には、主に次のようなものがあります。
1.間違った歩き方
爪は本来、内側に巻こうとする性質がありますが、歩行時に地面から足指にかかる力によってその性質を抑えることができています。
ところが、足指を使わない間違った歩き方をしていると、足指に上向きの力が働かないため、爪が巻きやすくなるのです。
2.足に合わない靴
足指を使って正しい歩き方をするためには、靴の中で足指が動かせるだけのスペースが必要です。
先のとがった靴や、ハイヒール、サイズが小さい靴などは、足指が動かせないため正しい歩き方ができません。
逆に、大きすぎる靴も「浮指」の原因となり、足指を使った歩き方ができなくなります。
3.深爪
爪を深く切りすぎると、爪が伸びてきたときに両端が皮膚に食い込みやすく、陥入爪になることがあります。
陥入爪の初期は、食い込んでいる部分が気になってさらに短く切ってしまいがちですが、進行を抑えるためには、深爪しないように爪をまっすぐに切り、角をやすりで軽く削る程度にとどめるようにしましょう。
参考:https://www.a-seikei.com/curly_nail/
ワイヤー矯正にも種類がある
巻き爪の矯正は、ワイヤーを用いたワイヤー矯正が一般的です。
ワイヤー矯正を大きくわけると、次の2種類があります。
・マチワイヤー
・VHO
どちらも、ワイヤーを用いた巻き爪矯正の方法ですが、巻き爪の症状の程度、爪の長さや厚さなどに応じて適切な方法を選びます。
マチワイヤーとVHOの巻き爪矯正には、それぞれどのような特徴のある矯正なのか、次で解説いたします。
参考:https://www.fujii-hifuka.com/archives/429
参考:http://sasaki-hp.or.jp/page/nail.html
ワイヤー矯正のマチワイヤー法
ワイヤー矯正の「マチワイヤー法」とは、形状記憶ワイヤーの力で巻き爪を広げて矯正する方法です。
次のような手順で行われます。
1.爪先の白い部分の両端に2か所、ワイヤーを通すための小さな穴をあけます。
2.爪の表側から形状記憶ワイヤーを、両方の穴に通します。
3.ワイヤーの上にジェルや接着剤、コーティング剤を塗り、LEDライトで固めカバーして終了。
ワイヤーは爪が伸びてきたときに替える必要があり、通常は1~2ヶ月に1回程度の交換で、およそ半年~1年くらいかかります。
参考:https://www.hadatotsume.com/wire/
マチワイヤー法の特徴
マチワイヤー法にはどのような特徴があるのか、解説いたします。
爪が伸びている必要がある
マチワイヤー法は、爪先に穴をあける必要があるため、爪が短すぎて白い部分がないとワイヤーを通すことができません。
弯曲爪に向いている
マチワイヤー法は弯曲爪に向いており、陥入爪には向いていません。
陥入爪の場合は、VHOワイヤー法が向いています。
すぐに痛みが緩和する
マチワイヤーを巻き爪に装着すると、その日のうちに痛みが軽減することも多いです。
爪が割れることがある
爪が薄い場合や脆くなっている場合、割れてしまうことがあります。
装着時の痛みがほとんどない
施術当日から運動・入浴も可能
ワイヤー矯正のVHO
ワイヤー矯正の「VHO」とは、爪の両端にワイヤーを引っ掛け、中央に寄せて巻き上げることで巻き爪を矯正する方法です。
次のような手順で行われます。
1.爪の根元の両側に、ワイヤーの端を引っ掛けます。
2.左右のワイヤーを中央で巻き上げて固定します。
3.余分なワイヤーをカットし、人工爪で固定したワイヤー部分をカバーして終了。
ワイヤーは2~3ヶ月に1回交換し、矯正に半年~1年くらいかかります。
参考:http://hopitalmaeda.com/derm/makidume.html
VHOの特徴
ワイヤー矯正「VHO」の特徴について解説いたします。
爪が短くても可能
VHOはマチワイヤー法と違って爪の真ん中あたりに装着するので、爪を短くしている人でも可能です。
弯曲爪・陥入爪
VHOは、弯曲爪と陥入爪の両方に行うことができます。
すぐに痛みが軽減
VHOをつけると、その日のうちに痛みが軽減することが多いです。
装着時の痛みがほとんどない
穴をあける必要がない
VHOは爪の両端に引っ掛けて装着するため、爪に穴をあける必要がありません。
施術当日から入浴や運動も可能
まとめ
巻き爪には「弯曲爪」と「陥入爪」がありますが、どちらも放置すると悪化する可能性があるため、早めに矯正することが大切です。
巻き爪の矯正は、ワイヤーを用いた方法が一般的。
爪の先に穴をあけ、形状記憶ワイヤーを通して矯正する「マチワイヤー法」と、爪の両端にワイヤーを引っ掛け、中央で巻き上げて矯正する「VHO」があります。
どちらも何回かワイヤーを交換する必要があり、巻き爪を矯正するのに半年~1年くらいかかりますが、装着してすぐに痛みが軽減することが多いようです。
巻き爪が痛くてつらいという方は早めに専門家に相談し、ワイヤー矯正を検討してみることをおすすめします。